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Ink Spots [The Great Cover]


今回のテーマの纏めとして、僕が想像したのは、
「自分の中のトップアイドルが、自分の曲をカバーする」ということがどれほど興奮することか、です。

世界中の誰も敵わない存在になっても、いくら敬愛しても足りない存在のリトル・リチャードがデビュー前に作った曲でシャウトしてる、こんな夢のようなことが起きたらポールも嬉しかったに違いありません。
このリトル¥リチャードのバージョンを聴いて、この曲がとてもリトル¥リチャードに影響されていたのが分かりました。その曲が、インスパイアの元へと届き、帰っていった感じがとても感動的に思うのです。

若いポールがシャウトした部分、リトルリチャードはさすがの存在感でオリジナルとして王者のシャウトを聴かせてくれます。ポールが憧れたシャウトのお手本を本人が聴かせてくれます。

 

今ではジャンルというのはごちゃ混ぜになって、誰も「曲」に「ジャンル」を感じなくなってます。良いことではあると思いますが、逆に一部の音楽ファン以外は音楽を深く楽しむ趣味にしなくなったのだと思います。

作る側も「お手本」とか気にしなくてもジャズっぽいベースやハードなディストーションギターを使える時代です。誰も「先週出たあのCD買った?あのサウンドはなんぞや?」などと友達と語ることは無いです。

ビートルズもストーンズも、大のロックンロールファンでR&Bファンが集まって「ヤバいね カッコいいね こんなのヤりたいね」などと話してた所から始まっているのが、すごく好きです。振り返ってみると音楽にとって、とても幸せな時代だったと思います。ダウンロードしたmp3をなんとなく聴いてクリックして削除できるこんにちは、音楽にとって寂しい時代でもあるのではないでしょうか…

 

これ以上長くなってもアレなので、この辺で。

ブルース、R&Bを愛したローリング・ストーンズの曲を、黒人トップシンガーのオーティス・レディングがカバーする、こんな素敵なシチュエーションを理解できなかった10代の僕がもしほんの少し想像力を働かせられたら、大石少年の夢や努力が違ったものになったかもしれません…
「いつか俺の作った歌を⚪︎⚪︎にカバーしてほしい!そのためにもっといい曲を作る!」という自己主張と並行して走る素敵な夢が見られたことでしょう!

 

SATISFACTION / ROLLING STONES (カバー)

I Saw Her Standing There / Little Richard (カバー)

僕にとって、こんな感動的なカバーは無いです。

終わり




oishiyuライター: 大石 悠
 鍵盤奏者。幼少の頃から両親の影響でレコードを愛聴。特に生前の時代である60年-80年代のブラックミュージックシーンに魅力され、人間味のある泥臭くもパワフルな演奏スタイルを持つ。即興ジャムオルガントリオ"MYM",他セッション、サポートでも活動中。

― 連載コラム:Ink Spots ~All about JAZZ I think~ ―
・ Ink Spots [Screamin' Jay Hawkins]
・ Ink Spots [Sly Stone③]
・ Ink Spots [James Brown]
・ Ink Spots [Stevie Wonder]
・ Ink Spots [Rock-Jazz]
・ Ink Spots [6/8]
・ Ink Spots [New Orleans Funk]
・ Ink Spots [Les Paul Model & Charlie Christian]
・ Ink Spots [Sly Stone②]
・ Ink Spots [Lonnie Smith]
・ Ink Spots [The Beatles①]
・ Ink Spots [Sly Stone]
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・ Ink Spots [Muddy Waters]
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・ Ink Spots [Pharoah Sanders]


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