Ink Spots [Pharoah Sanders]
こんばんは、裏の住民が毎夜「とん…とんとん…」と何かを打つ音で眠れない大石です。
こんな夜はファラオ・サンダースを聴いて心を落ち着けるのが吉です。
皆さんはファラオ・サンダースは好きですか?
え?
知らない??
マジっすか??
つか妥当です、ていうか一般的な思想と生活をしていたらこの人の音楽を必要とする方が稀です、てか必要ないでしょう。心からそう思います。
でもなんかのきっかけでこのコラムを読むことになったついでに、折角なのでお付き合いください。すぐ終わるからネッッ!
ファラオ・サンダースは所謂「スピリチュアル・ジャズ」というジャンルに相当する音楽を演奏するサックス奏者です。
そうですね、例えるなら黒人のエルメートー・パスコアールにサン・ラーを足した、ローランド・カーク汁たっぷりなエキスをアフリカで飲んでる感じでしょうか(言い得て妙ですね!)。
でも今の例えは多少分かりにくかったかもしれません。
僕が考えたキャッチコピーは、
『あなたはこの32分に最後まで耐えられるか!?』
です。
すぐ読み終わるとは書きましたが、音楽は長尺のものが圧巻。はっきり言ってゲテモノ扱い、奇妙キテレツ摩訶不思議。
もしあなたに恋人がいて、相手がおうちであなたにディナーを作ってくれようとしているようなシチュエーションで、間違ってもファラオの音楽をBGMにしてはいけません絶対に。
あなたたちは時を待たずに別れます。特に女子に聞かせるのはNGです。
ではここまで読んで気になった方はどうぞ。
所謂プログレッシブロックやジャズ、またはフェラ・クティのようなアフロビート、オペラのような10分を超える曲を聞くのには体力がいります。
集中力と緊張が続くからだと思います。
しかしこの「The Creator Has A Master Plan」はどうでしょう!
4~5分聴いても「まだ全然最初の方だよ~!」とスクロールバーを見てゲンナリしましたか?
音楽には必要なものがいくつかあって、その中には「いつ聴くか」「誰と聴くか」「何を聴くか」「どこで聴くか」などがあげられると思います。
この「The Creator Has A Master Plan」は相当高い確率で「内なる自分と」聴いてみるのが良いと思います。これがスピリチュアルの楽しみ方だと思うのです。
「精神世界の」というジャンル名通り、これは現世のどんな状況をも超えた世界を表現している音楽なので、目を閉じて、できれば大きな音で内側を感じるように聴いてみるのが良いかもしれません。
空気を切り裂くような鋭いサックスの音色から、柔らかな空間を漂うようなセクションに入り、次第に楽器の音が雑音になってきて、完全なカオスが訪れます。もはや途中からこれがさっきまで美しい音を出していた楽器とは信じられなくなります。
混沌をバックに、ファラオの「黒人のヨーデル」とでも言えそうな不思議なボーカルが絡み合い、なんとも目立つマラカスのリズムでさらに混沌の音の渦が加速していきます。
この「ォホォホォホ」「ィヒィヒィヒ」という声で脱落する人も多いですね!
おや、まだこのコラムを読んでいる人がいますね?