村上春樹とジャズ [スプートニクの恋人①]

2014/11/06 村上春樹とジャズ

ジャズと関係が深い日本を代表する小説家村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。今回は「スプートニクの恋人」についてです。

「スプートニクの恋人」はまたもや誰かの失踪物語です。
「ダンス・ダンス・ダンス」「国境の南、太陽の西」「ねじまき鳥クロニクル」もはや失踪させりゃいいと思っています。

「スプートニクの恋人」はお洒落だな～と思った作品でした。文章(特に比喩)にこだわって書いたと本人が言っているくらいです。
裏を返せば春樹流のお洒落文学が鼻につく人がアレルギー反応を起こす、ということでもあります。
他のどんよりした作品よりライトに読める作品かもしれません。主人公が純粋でヤリチンではないからです。
ですからどことなく爽やかで、綺麗な感じがします。
スプートニクは人工衛星の名前で、本作のタイトルは犬が乗っていたという有名な人工衛星の話からです。

視力はとくに悪くなかったのにディジー・ガレスピーみたいなセルロイドの黒縁の眼鏡をかけ、むなしく空をにらんでいた。

11頁

Dizzy Gillespie & Louis Armstrong – Umbrella Man

ディジー・ガレスピーは、アフリカ系アメリカ人のジャズミュージシャンです。
チャーリー・パーカーと共にビバップを築いた一人として讃えられています。

頬がハムスターみたいにパンッパンです。
壊れたトランペットは故意的に作られたものではなく、偶然曲がってしまい、しかもそれを気に入って吹き始めたらしいです。
喧嘩っ早く、碌でもない人間だったみたいですが、１９９３年に亡くなるまで音楽活動をし続けた人です。
ラテン・ジャズを広めたことでも有名で、その功績は相当なものです。

アームストロングの歌とともにどうぞ。

ライター： 山本 春町
　映像クリエイター/ミュージシャン/ライター
こう見えても文学少年。
下ネタ大好き。変なやつ。
http://harumati.jimdo.com/

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山本春町