村上春樹とジャズ [ダンスダンスダンス②]

ジャズと関係が深い日本を代表する小説家村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。ダンスダンスダンスの上巻からもう１曲。

「僕はラジオから流れる『シャフトのテーマ』を聴きながら買ってきた野菜をひとつひとつきちんと包装して冷蔵庫にしまった。その男は誰だ？シャフト！」

236頁

Isaac Hayes – Shaft

ダンスダンスダンスにはキキという女が登場します。

キキはコールガールで、耳がとても魅力的な女の子です。

キキは偶然主人公の「僕」がみた映画に登場していて、だんだんキキに呑まれていき、探し続けます。

春樹流の不気味な、異様なストーリー展開が濃い作品です。

登場する楽曲は古いロックばかりで、あまりジャズはありません。

アイザック・ヘイズは６０年代から長く活躍したアメリカのシンガーで俳優や声優でも活躍するなど、多彩な人です。

低いソウルフルな声に黒人ならではの明るい音楽が気持ちを彩ります。

今回の曲は1971年のアメリカ映画「SHAFT(邦題：黒いジャガー)」という映画で使われている曲です。

映画自体はとてもつまらないそうですが、この素敵な曲を生んでくれただけで、僕は満足です。

ドラマチックな曲に酔いしれてみてください。

ライター： 山本 春町
　映像クリエイター/ミュージシャン/ライター
こう見えても文学少年。
下ネタ大好き。変なやつ。
http://harumati.jimdo.com/