村上春樹とジャズ [ノルウェイの森③]

ジャズと関係が深い日本を代表する小説家村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。前回に引き続き村上春樹の代表作「ノルウェイの森」。下巻に移ります。

ヒロインである直子は京都の山奥にある療養所に入っていて、そこの同室人、レイコさんと知り合います。
レイコさんはピアニストを目指していた過去やギターが弾けるなどの音楽キャラです。そこでタイトルのノルウェイの森(ビートルズ)が登場します。

この小説にはビートルズの曲が沢山出てくるので、その曲を検索して聴いてみるのも楽しみ方の一つではないでしょうか？

「ときどき私がジャズ・ピアノの真似事して教えてあげたりしてね。こういうのがバド・パウエル、…」

１３頁

Bud Powell – Tempus Fugit

モダン・ジャズピアノの祖と称されるバド・パウエルは、アメリカのジャズピアニストです。
麻薬やアルコールなどの中毒で統合失調症になり、もがき苦しみながら演奏を録音していた時期がある、典型的なジャズマンです。

その病気の治療の為に電気ショックを行い、肉体的なダメージを負います。

ですが、その後も精力的に活動し、評価の高い演奏を得たりと、素晴らしい生命力を発揮したそうです。

コードに基づいたアドリブにも拘わらず、少し不思議なメロディというか、音を抜くところが個性的というか、タッチも重く、野性的なビバップを聴きたい時にオススメです。

ライター： 山本 春町
　映像クリエイター/ミュージシャン/ライター
こう見えても文学少年。
下ネタ大好き。変なやつ。
http://harumati.jimdo.com/