村上春樹とジャズ [ダンスダンスダンス①]
ジャズと関係が深い日本を代表する小説家 村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。あまり人気の高くない、ダンスダンスダンスという長編作品の中から、何曲か紹介していきたいと思います。
ダンスダンスダンスは、初期青春三部作「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」の続きです。
デビュー作の「風の歌を聴け」とは、だいぶ書き方も違いますし、一応、続きではあるのですが、単体でも春樹作品の癖ある孤独感を面白いと感じるのであれば読めるとは思います。
「羊をめぐる冒険」から、6年も間があいた作品ですので、社会批評的な文章や、物語の進め方などが変化しています。
ブルーグレーの壁には抽象絵画がかかり、BGMに小さくジャック・ルーシェのプレイ・バッハがかかっていた。
78頁
Jacques Loussier Trio LIVE – “Air On A ‘G’ String” – ’88
ジャック・ルーシェはバッハの曲をジャズアレンジで演奏したことで有名なピアニストです。1年間世界を旅をし、世界中の音楽を聴いて回ったそうです。
トリオとして20年近く活動していましたが、解散し、プログレッシブロックのバンドなどと共演したりと、意欲的な人だったようです。
バッハ以外にもモーツァルト、ベートーヴェンやサティ、印象主義音楽の作曲家などの演奏をしていたみたいですね。
Jacques Loussier Trio — Gnossienne No. 3
クラシックをアレンジするというのは、現代音楽とはまた違う実験ですね。
ライター: 山本 春町 映像クリエイター/ミュージシャン/ライター こう見えても文学少年。 下ネタ大好き。変なやつ。 http://harumati.jimdo.com/
― 連載コラム:村上春樹とジャズ ―
・ 村上春樹とジャズ [ノルウェイの森⑤]
・ 村上春樹とジャズ [ノルウェイの森④]
・ 村上春樹とジャズ [ノルウェイの森③]
・ 村上春樹とジャズ [ノルウェイの森②]
・ 村上春樹とジャズ [ノルウェイの森①]
・ 村上春樹とジャズ [パン屋再襲撃③]
・ 村上春樹とジャズ [パン屋再襲撃②]
・ 村上春樹とジャズ [パン屋再襲撃①]
・ 村上春樹とジャズ [世界の終りとハードボイルドワンダーランド④]
・ 村上春樹とジャズ [世界の終りとハードボイルドワンダーランド③]
・ 村上春樹とジャズ [世界の終りとハードボイルドワンダーランド②]
・ 村上春樹とジャズ [世界の終りとハードボイルドワンダーランド①]
・ 村上春樹とジャズ [蛍・納屋を焼く・その他の短編②]
・ 村上春樹とジャズ [蛍・納屋を焼く・その他の短編①]
・ 村上春樹とジャズ [カンガルー日和②]
・ 村上春樹とジャズ [カンガルー日和①]