村上春樹とジャズ [世界の終りとハードボイルドワンダーランド③]

ジャズと関係が深い日本を代表する小説家村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。世界の終わりとハードボイルドワンダーランドの下巻からもう何曲か紹介していきたいと思います。

「それから私はレコード店に行って、カセット・テープを何本か買った。ジョニー・マティスのベスト・セレクションとツビン・メータの指揮するシェーンベルクの『浄夜』とケニー・バレルの『ストーミー・サンデイ』と……」２４２頁

ハードボイルドの物語の主人公は気の遠くなるような長い地下の洞窟からようやく抜け出し、現実的な世界に戻ってきます。

主人公はレコード店に行く前にレンタカーを借ります。カリーナ１８００GTツインカムターボ。
この車の中でどういった音楽が聴きたくなるのか見当がつかない主人公は多方面のカセット・テープ買うのです。

Kenny Burrell – Stormy Monday Blues

ケニー・バレルはアメリカのジャズギタリストで、195１年でデビューしました。ピアニストのトミー・フラナガンとは同じデトロイト出身で、数多くの共演した音楽仲間だそうです。
ブルースを基調とした渋い演奏が特徴的です。

Weaver Of Dreamsというアルバムではケニー・バレルの歌も聴くことができます。

Kenny Burrell – The More I See You

ライター： 山本 春町
　映像クリエイター/ミュージシャン/ライター
こう見えても文学少年。
下ネタ大好き。変なやつ。
http://harumati.jimdo.com/