村上春樹とジャズ [世界の終りとハードボイルドワンダーランド①]
ジャズと関係が深い日本を代表する小説家 村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。今回は世界の終りとハードボイルドワンダーランド・上巻から。
世界の終りとハードボイルドワンダーランド。
僕が初めて村上春樹を読んだのがこの長編でした。
この作品が最初じゃなきゃ春樹を読んでいたかわかりません。
逆にいえば、この作品はちょっと別格です。完成度が恐ろしく高い。
村上春樹のアンチが唯一認めざるを得ない小説と言われています。
この作品はRPGやサブカルチャー文化、セカイ系に多大な影響を及ぼしたと言われています。
二つの話が並行する小説です。ハードボイルドな世界と、ファンタジーな世界がなんの説明もなく淡々と描かれていきます。
小説はエレベーターの中から始まります。上がっているか下がっているかわからないエレベーター。ボタンも手すりも窓も監視カメラもない、動いているのかすらわからないエレベーター。そんな推理小説の冒頭の様な書き出しから、完璧なラストまで飽きることなく読める、引き込まれる物語です。
「チャーリー・パーカーのレコード持ってる?」304頁
太った女の子が主人公に聴くシーンです。
Charlie Parker – Chet Baker Live 1952 ~ Donna Lee (Indiana)
チャーリー・パーカーは以前紹介したので、チェット・ベイカーについて。と言いたいところですが、チェット・ベイカーはいずれちゃんと紹介すると思いますので、紹介は少しだけにします。
チェット・ベイカーはトランペットの実力はチャーリー・パーカーにも認められ、1952年から1953年にかけて彼のバンドでも活躍しました。
この音源はその時のライブアルバムですね。
二人の綺麗な喧嘩を夕食後の一杯と共に、なんてのはどうでしょうか?
ライター: 山本 春町 映像クリエイター/ミュージシャン/ライター こう見えても文学少年。 下ネタ大好き。変なやつ。 http://harumati.jimdo.com/
― 連載コラム:村上春樹とジャズ ―
・ 村上春樹とジャズ [蛍・納屋を焼く・その他の短編②]
・ 村上春樹とジャズ [蛍・納屋を焼く・その他の短編①]
・ 村上春樹とジャズ [カンガルー日和②]
・ 村上春樹とジャズ [カンガルー日和①]
・ 村上春樹とジャズ [羊をめぐる冒険⑤]
・ 村上春樹とジャズ [羊をめぐる冒険④]
・ 村上春樹とジャズ [羊をめぐる冒険③]
・ 村上春樹とジャズ [羊をめぐる冒険②]
・ 村上春樹とジャズ [羊をめぐる冒険①]
・ 村上春樹とジャズ [1973年のピンボール②]
・ 村上春樹とジャズ [1973年のピンボール①]
・ 村上春樹とジャズ [風の歌を聴け②]
・ 村上春樹とジャズ [風の歌を聴け①]