村上春樹とジャズ [蛍・納屋を焼く・その他の短編①]
ジャズと関係が深い日本を代表する小説家 村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。今回は村上春樹の「蛍・納屋を焼く・その他の短編」という短編集を扱っていきたいと思います。
この短編集もファンの間では評価が高いです。基本的に短編集に1つは名作があるので、全ての短編にそう言える気がしますがそこは置いておいて……
特に「納屋を焼く」という短編は春樹本人も言っている通り、救いのない“冷たい話”です。そしてこの短編が僕は好きです。
絶望的なことを描く時に躊躇すると思います。不道徳であるから。どれだけ不道徳であれるか、つまり不道徳を突き詰めることが出来るかというのが作家の腕の見せどころだと思うのです。
そしてこの話は見事に冷たい。暴力描写はありません。ですが暴力的な話なのです。
残酷に描かないことによって受け手に想像させる。静かな暴力。
何故こんなに作品の紹介をちんたらやっているのかというと、今回紹介するのが
マイルス・デイヴィスだからです!
僕なんかが偉そうに語れる人ではありませんので、というか説明するまでもないので曲を聴いて頂ければ!
「彼女がまたLPを5枚選んだ。最初の曲はマイルス・デイヴィスの『エアジン』だった。」
Miles Davis Quintet – Airegin
うんかっこいい!
マイルスは進化し続けたのでいろんな時代がありますね。皆さんはどの時代のマイルスが好きですか?
お気に入りのマイルスを聴きながら、「納屋を焼く」を是非読んでみてください。
ライター: 山本 春町 映像クリエイター/ミュージシャン/ライター こう見えても文学少年。 下ネタ大好き。変なやつ。 http://harumati.jimdo.com/
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