村上春樹とジャズ [世界の終りとハードボイルドワンダーランド②]
ジャズと関係が深い日本を代表する小説家 村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。今回は世界の終りとハードボイルドワンダーランド・下巻から。
世界の終わりとハードボイルドワンダーランドの上巻はロックミュージックが中心なので、下巻で何曲か紹介していきたいと思います。
下巻には村上春樹史上最多(調べてないですけど)なんじゃないかと思うくらい音楽が登場します。
もちろんロック、ジャズ、クラシックが登場するのでジャズに絞ると数曲なのですが。
ですが春樹の中で一番好きな小説なので紹介せざるを得ません。
「不安定な体勢のまま身をひねってナップザックを外し、ウィスキーの瓶をとりだすのはどう考えても不可能だった。それで私はあきらめて、自分がウィスキーを飲んでいるところを頭の中で想像してみることにした。清潔で静かなバーと、ナッツの入ったボウルと、低い音楽で流れるM・J・Qの『ヴァンドーム』、そしてダブルのオン・ザ・ロックだ」52頁
主人公は地下の洞窟を太った女の子と二人で闇雲に歩いているというシーンです。ハードボイルドしている時にウィスキーなんて飲めるはずがありません。なので主人公はウィスキーを飲む自分を想像しますが、戦っている敵に家の洋服をめちゃくちゃにされてしまったので、バーに行く前に服を買いに行くところまで想像し始めるのです。
Modern Jazz Quartet / Vendome
M・J・Q(モダン・ジャズ・カルテット)は風の歌を聴け②で紹介しました。
アーティスト紹介はそちらをご覧ください。
ライター: 山本 春町 映像クリエイター/ミュージシャン/ライター こう見えても文学少年。 下ネタ大好き。変なやつ。 http://harumati.jimdo.com/
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