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村上春樹とジャズ [カンガルー日和②]


ジャズと関係が深い日本を代表する小説家 村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。今回は短編集「カンガルー日和」です。

 

短編集カンガルー日和の「サウスベイ・ストラット―ドゥービー・ブラザーズ『サウスベイ・ストラット』のためのBGM」から2人のジャズドラマー、ジーン・クルーパ、バディ・リッチの紹介です。

 

ジーン・クルーパ-Solo

 

手数の多さで言えば現代のドラマーの方が多いでしょう。
ですがグルーブや滑り、引き込むタイム感などは簡単に出せるものではありません。

ジーン・クルーパはそのわかりやすく簡単なフレーズに簡単なフィルインするだけで、バスドラムの連打だけでも味があるのです。
そのバランス感は一級品で、レッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムなどにも影響を与えるなど、その魅力はジャンルの壁を越えるものです。

 

バディ・リッチ-Solo

 

「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のドラマー」に於いて、第6位など、圧倒的な人気を誇るバディ・リッチのドラミングが動画で堪能できます。

今やドラムの超絶技巧といえばハードコアやヘビーメタル派生の音楽、又はフュージョンなどの音楽を想像すると思います。
ですが、バディ・リッチの凄さはそのアドリブです。あまりに長く、力強く、早く、グルーブを失わずに叩くことは、現代のドラマーと比べても最高峰、いや、右に出るものはいないと言っても過言ではないでしょう。

 

二人の関係性。

同時期に活躍したこともあり、ジーン・クルーパとバディ・リッチはライバルとして扱われています。ですが、二人はお互いを尊重しあう中だったそうです。
二人共、演奏の特徴はスネアの連打ですが、スネアの連打だけで語ることができるライバルなんて、他にはいないのではないでしょうか。

ジャズの枠からはみ出して影響を及ぼす二人の演奏を比較してみると、より音楽の味わいが深くなるのではないでしょうか。

 

 





harumatiライター: 山本 春町
 映像クリエイター/ミュージシャン/ライター
こう見えても文学少年。
下ネタ大好き。変なやつ。
http://harumati.jimdo.com/

― 連載コラム:村上春樹とジャズ ―
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