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村上春樹とジャズ [東京奇譚集①]


ジャズと関係が深い日本を代表する小説家 村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介します。「東京奇譚集」を扱っていきます。

 

「東京奇譚集」は短篇集です。

個人的な話になりますが、だいぶ前に付き合っていた恋人に貸してもらった作品で、手にとった時に、「ああ、これ借り物なんだ」と思い出しました。つまり返していないのです。

 

五つのストーリーが収録されています。最初の話「偶然の旅人」は、ドキュメンタリーです。
大した話でもなく、かと言って、偶然に起こった出来事は、他人に話しても、「作り話でしょ?」と言われてしまう。誰にでもありそうな経験ですが、特に作家だと、まともに話すら出来ない。喋り方が悪いのかと文章に起こしてみても結局、「作り話でしょ?」と言われる。
そんな作り話みたいな本当の話(怖い話みたいな字面!)が、語られます。

 

ジャズのライブを観に行き、ラスト二曲はこの曲が聴きたいな、と脳内で渋い選曲をしたら、本当にその二曲が演奏され、言葉を失った、という。
その話をある知人にすると、似た経験をしたことがある、と言われ、その知人の経験が「偶然の旅人」の後半で語られます。

うん、説明だけだと実にそそられない。

 

例えば僕が借りているこの本を古本で売りに行ったら、偶然、その昔の恋人が「東京奇譚集」を買いに来ていて、「やあ、お久しぶりではないか」「あらそうねえ、その本ちょうど欲しくってよ?」そして昔話に花を咲かせックス → 僕は射精した。のような春樹的ストーリーが現実に起こったとして、知らない人からすれば、「What?」でオワタなのです。

 

前者はチャーリー・パーカーの曲、…前者はJ・J・ジョンソンのバンドのピアニストとして『Dial J.J.5』(1957年録音)というアルバムに、…

13頁

J.J. Johnson Quintet – Barbados

 

チャーリー・パーカーは前に出ましたし、他の方も書かれているので再度、説明する必要もありませんね。

そのためによくわからない話で繋ぎました。失礼しました。





harumatiライター: 山本 春町
 映像クリエイター/ミュージシャン/ライター
こう見えても文学少年。
下ネタ大好き。変なやつ。
http://harumati.jimdo.com/

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