村上春樹とジャズ [羊をめぐる冒険③]
ジャズと関係が深い日本を代表する小説家 村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介しつつ音楽と共に楽しんで下されば幸いで御座います。青春三部作の三作目、 羊をめぐる冒険(下)から何曲か紹介したいと思います。
23頁で主人公の僕のガールフレンドが一緒に住んでいる男についての言及が書かれています。
その男はジャズギタリストでスタイルが特にない性格も悪くないまともな人間。ケニー・バレルとBBキングの間を彷徨ったり、ラリー・コリエルとジム・ホールの間を彷徨ったりする、常に主義が固定しないタイプのギタリスト。
そのギタリストと主人公のガールフレンドがセックスしているところを想像し、そして自分のセックスの記憶について述べ始めるお決まりの展開。
この村上春樹嫌いはこの童貞臭い文章に嫌悪感を抱くことが代表的な例だと思います。同族嫌悪?
「こいつ気持ち悪いな」を楽しみましょう。
本の話はこのくらいにして。
ケニー・バレル- Midnight Blue
ケニー・バレルは1931年生まれのアメリカ、デトロイト出身のジャズギタリストです。
ブルージーで音数の少ない印象ですが、その音選びは洗練されていて、謂わばメロディアスでタイトです。
クラシックピアノも演奏家が違えばタッチが違ったり、ロックでいえばチョーキング一つで味が違ってきます。
メロディアスというのは技術や癖を伴い、それがとても心地いいと人を魅了する演奏になるのではないでしょうか。
そういった部分に耳を傾けて聴いてみるのも面白いかもしれませんね。
ライター: 山本 春町 映像クリエイター/ミュージシャン/ライター こう見えても文学少年。 下ネタ大好き。変なやつ。 http://harumati.jimdo.com/
― 連載コラム:村上春樹とジャズ ―
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