村上春樹とジャズ [羊をめぐる冒険②]
ジャズと関係が深い日本を代表する小説家 村上春樹。彼の作品から、ジャズやソウルフルなブラックミュージックなどが登場する小説を紹介しつつ音楽と共に楽しんで下されば幸いで御座います。青春三部作の三作目、 羊をめぐる冒険の上巻から一曲紹介します。
「僕はビル・ウィザーズを聴きながらチキン・カツレツを食べた」228頁(出版社によっては249頁)
ビル・ウィザーズ – Ain’t No Sunshine
ビル・ウィザーズ(Bill Withers)は1938年生まれでアメリカのシンガーソングライターです。
活動は60年代からでグラミー賞、ゴールドディスクなど華々しい活躍っぷり。
ジャンル的にはR&B、ソウル、ブルースといったカテゴリだと思います。
ジャズ・サックス奏者のグローヴァー・ワシントン・ジュニアの代表作「Just the Two of Us」にもフィーチュアされAORの人気作となりました。
前回の記事で扱ったボズ・スキャッグスといい、AORやフュージョンに行く傾向をみるにつけ、如何に時代と共に音楽が変化、細分化し、それに組み込まれたりスタイルを新たに確立したりしているのかがよくわかります。
進化の過程、又成熟された作品の中には、差別や思想、、好奇心だけではなく、流動性のある音楽に対する葛藤、新たなスタイルに反発によって生まれたものがあるのかもしれません。そのメタファーを汲み取ることも楽しみ方の一つとしてはあるのではないでしょうか。
ライター: 山本 春町 映像クリエイター/ミュージシャン/ライター こう見えても文学少年。 下ネタ大好き。変なやつ。 http://harumati.jimdo.com/
― 連載コラム:村上春樹とジャズ ―
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