Ink Spots [The Beatles①]
ローリングストーンズがブルースマニアなら、ビートルズはロックンロールとソウルマニアだったと言えます。
数多くのカバー曲を残してきていますが、いわゆる白人のロックンロールと同じくらい、黒人のソウルやロックンロールを披露しています。
ジョン・レノンがシャウトするカバー曲など、鳥肌ものです。
ジョンは
「ロックンロールに別の名前を与えるなら、それは『チャック・ベリー』だ」
と残しています。
これが今の僕たちが聴いている音楽に最も影響した瞬間の一つ、
ブルースという黒人独自の文化が現代感覚としての発展を遂げた一つの答えとも言える曲でしょう。
僕たちはずっとこんなブルースを聴きたかった!
アイドルとしての影響力が半端ではないエルヴィスに対して、チャックは黒人として、白人のそれも10代の若者たちにアピールした最初のロックンローラーではないでしょうか。
このイントロ、このリフ、歌のテーマ、コーラス、ギターソロもブレイクも、完璧です。僕にとっても数えきれないくらい聴いてきたこの曲は、どんな芸術よりもキラキラしています。
このギターがビートルズを始め、世界中の若者にギターを弾かせたのです。
チャックもまたブルースマンに憧れてギターを弾き、ブルースに飽きたらずにとんでもない曲を産み出したのです。
長くなったので、また事ある毎に色々な視点でルーツについて書きたいと思います。
んちゃ!
ライター: 大石 悠 鍵盤奏者。幼少の頃から両親の影響でレコードを愛聴。特に生前の時代である60年-80年代のブラックミュージックシーンに魅力され、人間味のある泥臭くもパワフルな演奏スタイルを持つ。即興ジャムオルガントリオ"MYM",他セッション、サポートでも活動中。
― 連載コラム:Ink Spots ~All about JAZZ I think~ ―
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