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jazz meets the beats Vol.10


 

■The Alegre All Stars/Perdido

今月はラテンJazzをご紹介と言いながら、いきなりモードJazzを紹介してしまいましたね。いけない癖です。すいません…という事で、NYハーレムの熱い雰囲気が感じられるアグレッシブな曲を。ラテンピアニストCharlie Palmieri等、のちにFaniaレーベルの諸作で活躍するアーティストを擁するThe Alegre All Stars。ラテンレーベルAlegreから数枚リリースをする彼らの作品はどれも陽気さと少し不良な雰囲気があり臨場感が素晴らしい。今回は、その中でも艶やかなDescargaを聴かせるPerdidoをピックアップ。

 

■Jose Mangual Buyu /Chinatown

77年発表のパーカッショニストJose Mangual Buyuのリーダーアルバム、クラブシーンから古くから人気のあるラテンJazz作品でもある今作。Salsa,Descarga,Mamboといった旧来からあるラテンリズムとSoulやDisco等、アーバンなブラックコンテンポラリーなジャンルともうまく調和した内容で評価できる。

 

■Kip Hanrahan/Desire Develops An Edge (1983)

1980年代にNYラテンコミュニティのミュージシャンを多数起用して作品を残しているAmerican Clave。このレーベルを運営したKip Hanrahanはそれまでのコマーシャルな…いや結果としてコマーシャルな枠に落ち着いてしまったラテンミュージックとは一線を画している。Kip Hanrahan、 American Claveの諸作はモダンジャズ・ラテンミュージックのリスナーよりは、フリーやロフトJazz等、アバンギャルドな嗜好を持つリスナーに支持されている。ヨーロッパ的な白人主義とアフリカ回帰を目指すアフロ・アメリカン、両者の思想を受けながら育まれつつも、当時NYにあっては依然としてアフロ・アメリカンと同じくマイノリティーであり続けたヒスパニックが持つアイデンティティをレーベルの作品を通して表現しようとしたのではないかと思う。





hidekazu_tanakaライター紹介:Hidekazu Tanaka
 DJ/オーガナイザー 
 某ジャズ専門レコード店勤務を経てカフェ・バー勤務。三軒茶屋Orbitにて自身主宰のチルアウトパーティーOrbit Jazzを軸に、パーティーオーガナイズやアーティストの招聘やサポートDJや、クラブやカフェ等で選曲活動を展開中。
 ・ 偶数月第3(日) 17:00-23:00 "Orbit Jazz"(@三軒茶屋Space Orbit)
 ・ 毎月第4(木) 19:00-23:00 "Root Down"(@下北沢メンフィス兄弟)

― 連載コラム:jazz meets the beats ―
・ jazz meets the beats vol.9
・ jazz meets the beats vol.8
・ jazz meets the beats vol.7
・ jazz meets the beats vol.6
・ jazz meets the beats vol.5
・ jazz meets the beats vol.4
・ jazz meets the beats vol.3
・ jazz meets the beats vol.2
・ jazz meets the beats vol.1


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