音楽留学報道局 L.A.支局 Vol.5
ロサンゼルスも朝晩は冷え込みすっかり秋めいてきました。 日本とは違って四季の移り変わりがとても穏やで、ここに住み着きたくなる人の気持ちも分かります。
さて、10月31日ハロウィンは日本でも渋谷のスクランブル交差点をはじめ多いに盛り上がったそうですが、もちろんアメリカもハロウィン盛り上がっていました。
そこで今回はぼくが参加したハロウィンのイベントについて、そしてswingについてご紹介しようと思います。
ぼくが体験したアメリカのハロウィンはダンスのイベントでした。
なぜ音楽をしにきたぼくがダンスのイベントなのか?
それはぼくが好きな音楽がswingだからです。
でも、どうしてswingが好きだとダンスのイベントなのか?
まだ疑問に思う方もいると思います。
まずこの関係について書いていこうと思います
swingとダンスはとても関係が深いんです。 まずこちらの動画をご覧ください。
swing danceの始まりは1920年代後半。 男女がペアになって踊り、男性のリードによってステップを変えたりターンを混ぜたり、ジャズの即興性がこのダンスにもあります。
ジャズというと暗くて小難しいジャンルのイメージの方もいると思いますが、1950年代ビバップ以前の古いスタイルのジャズはダンスミュージックでもあります。
この音楽を愛し、ダンスを愛する素敵な方々が日本にもいらっしゃいますが、アメリカそしてここロサンゼルスには踊る場所も、踊れる音楽を演奏できるバンドも、そしてダンスを踊る人もとても多いです。
swingを演奏するバンドを見るには…
- swingのイベントが催されているダンスホールに行く
- swingのライブがあるバーやレストランに行く
の方法があります。
どちらも同じように感じるかもしれませんが若干の違いがあります。
swingのイベントがあるダンスホールではまずライブ演奏やDJによる音楽の前にフリーのダンスレッスンがある場合があります。 ここでまず基本的なステップを覚えれば、そのあと実際にバンドに合わせてダンスを楽しむことが出来ます。 つまり、ダンスを楽しむ人のためにセッティングされた場というニュアンスです。
バーやレストランではどちらかというとライブをしている場所にダンスをする人たちが行きそこで踊るというニュアンスだと思います。 もちろんオーガナイザーがダンサーであったり、踊れるスペースが用意してあったり、ダンスを楽しめる場であることは違いありません。
ぼくもダンスホールに行った時にフリーのダンスレッスンに参加してみました。 そこで感じたのがダンスをしやすいテンポとミュージシャンが演奏しやすい、好むテンポの違いです。 日本のスウィングのイベントで何度か演奏させていただいたことがあったのですが、そのときリーダーからの提案でテンポを遅くして演奏したことがありました。 なかなか難しいテンポでした。
ミュージシャンの好むテンポはダンサーにとっては少し速いんです。 swingのバンドに聞いたところ、ダンサーが集まる場所での演奏の時にはテンポを意識して速い曲は実際に遅くして演奏するそうです。
そして、とても面白いのがswing danceの中の一つのスタイルでeast coast swing(フリーレッスンではこれを習います)というものがあり、それの基本のステップが6カウントなんです。 4拍子で音楽は流れていますが、この基本のステップは四分音符 6つでルーティーンしていきます。
このステップを練習したあとにドラムでシンバルレガードを叩いたときにこの6のルーティーンを一瞬感じました。
踊ることと演奏すること。 踊ることは演奏することを深め、演奏することは踊ることを深めることになるのではないかと思います。
ではぼくが見に行ったハロウィンのイベントをご紹介したいと思います。
まずはダウンタウンにあるThe Set Shopというホールで行われたイベントです。
この日のバンドはJonathan Stout and his Orchestra, featuring Hilary Alexander。
ロサンゼルスのスウィングのイベントやバンド、レッスンなどが網羅されているLA Lindy Hop(http://lalindyhop.com/)というウェブサイトにダンサー投票によるベストバンドトップ10があるのですが、その1位に輝くJonathan Stout and his campus fiveのJonathanのオーケストラです。
この日はハロウィンコスチュームのテーマが決められていました。 「Gentleman & Gangster」
そのテーマにそってお客さんはとてもオシャレをしていて、入り口を抜けた瞬間1930年代にタイムスリップしました。