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【Lowland Jazz】あの曲の Jazz Ver.【BigBand】


皆様はじめまして、Lowland Jazz(以下LJ)にてアレンジ、鍵盤等を担当しております小島裕規といいます。
私たちは主にニコニコ動画、Youtubeにてボーカロイド楽曲をジャズバンド編成にて演奏する活動をしているのですが、前回のプロデューサーのユーヨンによるLJの活動紹介に続きまして、今回はその活動において不可避な「ボカロ楽曲をいかにジャズバンド編成にアレンジメントするのか」というお題を頂きましたので拙筆ながらなんとなく徒然なるままにぐだぐだと。

 

現在発表させていただいている動画のうちコンボ編成(少人数編成)のアレンジはTb高井天音、Tp具理然、Ds大場俊が、ビッグバンド編成(大編成、といってもLJの場合フルバンド編成から各ホーンセクション1人づつ減じた14人編成ですが)は高井天音と不肖わたくし小島が担当させていただいておりますが、私がアレンジ担当させてもらった楽曲は「からくりピエロ」「独りんぼエンヴィー」「Just A Game」「心拍数#0822」の4曲ですのでその曲達の話を少々。
今回アレンジメントに関する話ですのでもしご興味がおありでしたら僕らの楽曲動画と素晴らしい原曲もあわせて聞いていただけるとわかりやすいかと思います。

 

#1 からくりピエロ

記念すべきLJの第一作目ですね。
自分たちが曲を制作するプロセスは、

1. まずプロデューサーのユーヨン様とバンドリーダーの具理然様からアレンジャーに原曲とアレンジの方向性が「お題」として大命降下されます。

2. そしてそのお題にそって汗と水と少々の血反吐を吐きながら(私だけ?)

3. 締め切りをなるべく延ばし(私だけかしら??)

4.  リハーサルの日当日にTシャツ、スウェット、サンダル姿で刷りたてホヤホヤの譜面を抱えてスタジオに転がり込みメンバーから白い目で見られた後(うん、私だけ)

5. その譜面をもとにメンバーで意見を出し合い曲を練りあげてレコーディングを迎える

という感じなのですが、初回の原曲は40mPさんの素晴らしいポップソングで、お題はズバリ「スィング」でした!

 

このアレンジのコンセプトは
1. LJのイントロダクションにしたい⇒いわゆるビッグバンド感(元気!!!生きてる!!感)を前面に/メンバー14人全員が見えるアレンジ
2. サビ転調が印象的!⇒どんどん転調してっちゃえ!ヒャッホー
3. 普段ジャズを聴かない人に対しての「ジャズアレンジ?シャレオツ〜」の印象を与える⇒ジャズ的2-5進行の多用
です。

ジャズはブルースから発展した音楽ですからやはり憂いを帯びたものというのが多いのですがこの曲はどちらかというとダンスミュージックだった頃の戦前戦中期のエンターテイメントとしてのビッグバンドジャズを意識しました。(音楽的手法というよりは聴き手に与える印象がということですが)
ちなみに原曲冒頭のからくりのゼンマイ音がその曲の世界感強烈に表現していたのでオマージュとしてこちらでも入れさせてもらいました(後輩に、某すしチェーンのおもちゃを借りました笑)

 

PVの撮影と録音は同時進行で自宅のプライベートスタジオで行いました。
セクションごとに別時間でやったのですが撮影も入るとさすがに狭く、このバンドで曲をやるのも録音するのも初めて尽くしだったので色々苦労しました。それに比べたら今はだいぶ馴れてきました。

 

#2 独りんぼエンヴィー

2作目ですね。
原曲は電ポルPさんのトリップしそうな名曲で、ボスからのお題は「ラテン」でした。

 

私はそれまでラテンビッグバンドを書いた事がなかったのでチャレンジでした汗
ラテン音楽というのはその陽気な民族的印象とは裏腹にとても厳格な様式が決められていて専門家でもない限りはとても追いきれるものではありません。
なのでその様式に沿う形にするというよりは、私のラテンのイメージというか好きな部分をとりあえず詰め込んだなんちゃってなものにすることにしました。(ちなみに私はそういうなんちゃっては大好きです。イギリス人のレゲエとか、たらこスパゲッティとか)

なのでポイントとしては
1. キメ キメ キメェェェェェェェ!
2. 威勢のよいホーンセクション オラァッ
3. 派手なドラム&パーカッション

細かいところだと冒頭のリフや中間のギターリフレイン、クラッピング、唐突な転調などは原曲に対するオマージュですね。

あとバリサクのソロ入り前に少しフリーインプロビゼーションめいた所があって、そこからコテコテのキメになってバリサクピックアップになるのですが、ここはキメのかっこよさを引き立たせる為のフリーインプロという狙いがありました。
なにかを立たせるためにはそのもののクオリティを上げるというアプローチのほかに直前に真逆のベクトルの物を入れるというのも効果的です。

不協和音の後の協和音はそれ単体よりきれいに聞こえますし、
不良の優しさは優等生のそれより染みるものです。
音楽も恋愛もギャップですね。

 

撮影は都内のリハーサルスタジオで行いました。
だんだんメンバーの本性が明らかになり、にぎやかに(うるさく?)なってきました笑

このときに後のライブポスターなどで使う宣材写真をとりました。
個人的には私の顔が一番パンパンマンだったときに撮られたので周囲からは「肥えた」「肥えた」のシュプレヒコールがあったのですが、私は当時耳が聞こえない作曲家として活動していたのでなにも聞こえませんでした。

 

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