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このTrumpetを聴け![Ambrose Akinmusire]


 

そして、謎なフレーズがある・・・と言いましたが、それは非常に稚拙な表現です。
彼の出す音は楽器というよりは”歌”であって、コードから完全に自由な状態であると思います。絵などでも、ここはこういった色使いだからこういう効果があって・・・という見方はしませんよね(その道の専門家、志す人はしがちですが)。音楽もそういうもので、かっこよければ良いし、聴いていて心が動かされるものじゃないと楽しくありませんよね。
彼はひたすらかっこいいし、オリジナリティーの塊であると思います。

トランぺッターではなく、音楽家だと感じます。

 

こちらの動画は2014年にルクセンブルクで行われたライブ動画です。とても良いのでお時間ある時にでも是非聴いてみてください。

 

アンブロース・アキンムーシレは現在リーダーアルバムを3枚リリースしています。
そして今回は「When the Heart Emerges Glistening」の中から数曲ピックアップして少し解説したいと思います。

When the Heart Emerges Glistening (2011)

listen04

Gerald Clayton(p)
Walter Smith III(ts)
Harish Raghavan(b)
Justin Brown(ds)

 

M1:Confessions To My Unborn Daughter
トランペットイントロから始まるこの曲は彼の代表曲の一つだと思います。初めて聴いたときには「本当にトランペットかよ・・・」と耳を疑いました。彼の出す音がトランペットの音ではなく、完全に歌や声であることがわかると思います。曲の最初から最後まで耳が離せません。Walter Smith Ⅲのソロも圧巻です。

M4:Henya
彼はの演奏は多彩な色を持っており、いつ聴いても新鮮な印象を受けます。しかし、音を聴けば彼だとわかり、オリジナリティーの塊だと感じます。M1とは違う面が聴けます。Gregretchen Parlato(vo)がこの曲をカバーしています。

M11:What’s New
言わずと知れたスタンダードナンバーもここまでクリエイティブに演奏してしまいます・・・。とても曲に対して深い演奏です。

M12:Tear Stained Suicide Manifesto
曲を通してルバートで進んでいきます。メンバー全員の繊細さ、集中力、音楽の深さに脱帽です。3:30あたりからの盛り上がりは鳥肌ものです。





saseyusukeライター:佐瀬 悠輔
1993年北海道室蘭市生まれ。クラシックを福田善亮、ジャズを原朋直に師事。44th YAMANO BIGBAND JAZZ CONTESTにて最優秀ソリスト賞、34th浅草jazzでソリスト賞を授賞。都内中心に活動中。

― 連載コラム:この●●を聴け! ―
・ このSaxophoneを聴け![Miguel Zenon] (萩原優著)
・ このGuitarを聴け![Adam Rogers] (磯貝一樹著)
・ このDrumsを聴け![Ari Hoenig] (秋元修著)


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