jazz meets the beats vol.2
■Eddie Gale/Eddie Gale’s Getto Music/BST84294(1968)
Sun Raとの共演経験もあるEddie Gale。意外にもブルーノートに2作品を残している。純粋なジャズと捉えるには少し強引な所もあるが、当時の黒人運動の隆盛の影響を強く受けた内容。当時、大手のレーベルからはなかなかこうしたコンシャスな作品のリリースは少なく、元々政治色の強いスモールレーベルもしくは、自主盤が圧倒的に多いレアグルーヴ・シーンにおいては特異な作品の一つである。この手のレコードコレクターにとってはなかなか状態の良いオリジナル盤に出逢えないという悩ましい作品でもある。
■Moacir Santos/Saudade/BNLA260(1974)
レーベルを大手リバティーに売却し拠点をNYからLAに移した4000番台後期からBNLA期、それまでのモダン路線から離れ、よりコマーシャルでクロスオーバーした音楽をリリースしている。ジャズファンからは”ジャズは死んだ”と揶揄されたこの時代。逆に新進的な捉え方をすれば、快作は数多い。本作は一聴すると非常にPOPなブラジル作品となっているが、複雑なリズムを乗りこなすアルトサックスのロングトーン等、聴き込む程に味わい深い作品となっている。国内で90年代に起きたカフェ・ブーム・小箱クラブシーンでは重宝され、当時小箱クラブに足繁く通った自分としては想い出深いタイトルである。
ライター紹介:Hidekazu Tanaka DJ/オーガナイザー 某ジャズ専門レコード店勤務を経てカフェ・バー勤務。三軒茶屋Orbitにて自身主宰のチルアウトパーティーOrbit Jazzを軸に、パーティーオーガナイズやアーティストの招聘やサポートDJや、クラブやカフェ等で選曲活動を展開中。 ・ 偶数月第3(日) 17:00-23:00 "Orbit Jazz"(@三軒茶屋Space Orbit) ・ 毎月第4(木) 19:00-23:00 "Root Down"(@下北沢メンフィス兄弟)
― 連載コラム:jazz meets the beats ―
・ jazz meets the beats vol.1
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