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インタビュー:様々な音楽を吸収し進化するヴォーカリスト、ナミヒラアユコ


――R&Bではどういうのが好みですか?

あまりに黒過ぎるのはちょっと苦手なんですよね…。D’Angeloとか。弟が大好きなんですけど。
好きなのはAlicia Keysとか。いろんなジャンルが混ざったR&Bが好きで現代のR&Bが好みです。特にヨーロッパ・イギリスのシーンを追いかけていて一番好きなのはLianne La Havas。
この人が今まで聞いてきた中の一番です。

 

――Lianne La Havasはどんなジャンルの人?


全く形容しがたいです。
要素としてジャズやR&Bが混ざっているのですが、全体的に聴きやすくバランスが取れていて、メッセージも伝わる音楽ではあるけど自分の音がしっかり出来ている人。
Havasのスタイルが私の理想です。
ポップスやR&Bなどジャンルを決めると自分で柵を作ってしまう。どっちかというと全部まぜこぜにして私らしさで表現したいので、全部の要素を感じられるねと言われるのが一番嬉しい褒め言葉。

 

――最近はジャズ・スタンダードを歌ったりしていますよね?

Havasがジャズ色が強くて、自分もジャズをもっと取り入れていきたいと思い1度ジャズだけを歌うライブを久保田桃さんとDUOで出演しました。

 

―― ジャズっぽいことを取り入れるのではなく本格的に「ジャズ」をやるのは一見遠回りに見えますがそれは何故ですか?

ジャズっぽいことをやるには根本をしっかりと抑えないと。一回ちゃんと「こんな感じなのか」と感じてからならエッセンスをいれることが出来るけど最初からジャズっぽい本当に半端なことしかできないから。

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Havasのインタビュー記事を読んでいて「誰に影響をうけましたか?」という質問に対し「Ella Fitzgerald」と書いてありました。Havasの音楽を聴いてもEllaの要素何も感じないけどなぁって(笑)

 

――本人なりに噛み砕いた結果なんでしょうね。

インタビューで影響を受けた人として挙がった人のようなことをHavasがやっているわけではないんです。彼女は完全にオリジナルだから。私がHavasに憧れて同じことをしても、彼女にしか出せない音だから。真似した所でただの偽物になってしまう。

 

――Havasに憧れているからこそ彼女になるわけじゃなくて、彼女がやってきたことを自分が…

そう。取り入れて。
私の夢はLianne La Havasと一緒にやるっていうのが夢。
ちょっと似ているけど全然違うってなるはずだから(笑)

 

――ジャズは昔から馴染み深い音楽でした?

Diana Krall、Norah Jonesは以前から聞いたことがあったんですが、昨年Tommy Campbell (dr)に出会って、彼のレッスンを受けてから本格的にジャズを聴き始めました。それまではジャズは敷居が高いという印象があったので。実際触れたらこんなに面白いんだと思って興味を持ち始めました。

 

――Tommy Campbellはドラマーだけどどんなレッスンを受けたのですか?

Tommyも最初は「何やる?何やりたいの?」とレッスン内容を決めていない感じでしたが、私は学ぶ姿勢で行ってガツガツ質問をしていたら、Tommyも熱が入ってくれたみたいでレッスンは1回で終わらず2回3回4回と増やしてもらえました。それまで私はジャズ・スタンダードのAutumn Leaveさえ知らなかったのですがそれを歌ってみてと言われて…。Tommyはピアノもとても上手なんです。私が知らないから歌えないと言ったら、とりあえず「聴いて」「あと5分後に歌ってもらうから5分で覚えて」と言われ。この5分で何回聞けるんだー?!って(笑)
Tommyからジャズはとにかく「聴く」ことが大切だからと教えてくれました。リズムトレーニングの基本だし英語の曲を歌うということはどういうことなのかも教えてくれました。Tommyとの会話は全部英語なんですけど歌詞の内容をイメージ出来るように全部説明してくれて。日本語訳よりもずっとわかりやすかったです。

Tierney Suttonの「The Peacocks」 の音源をもらって3日後に歌ってと言われたときは一番しんどかったです。私が出会った中で一番難しい変な動きをする曲で、それなのに、とてつもなく美しい曲だったから。自分でもこの曲が歌いたくて、すっごい聴いて電車の中でも道を歩いていてもずっと歌っていて(笑)
Tommyのレッスンはスパルタでした。でも凄く優しい人でした。

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