NOISEのある景色
脱線しまくりなので戻りますが、 Satie、Enoがやっていたことはいわゆるバックグラウンドミュージック、BGMというやつです。
場を壊さず、耳障りにならず、流れている音楽。
ではCageの発想でアフリカのバカ族の音楽を。
歌、パーカッション、弦楽器などと共に、虫、鳥の鳴き声、咳払いなど沢山の音が聞こえてきます。
なにに意識を置くか。
果たしてそんな話なのか。
熱帯雨林の音としてしっかり調和しています。
こちらはフィリピンのトボリ族の音楽。
やはりこちらも演奏と自然音がきれいに調和しています。
フィールドレコーディングはその場の空気感をそのまま切り取ります。
現地の音なのでもちろん場と調和している音です。
普段意識しないで流れている音もこうパッケージしてあるとよく聞こえます。
しかし場と調和していればノイズでないのか?
そんな話になります。
アメリカの録音家Tucker Martineの東南アジアの昆虫フィールドレコーディング作。
どうでしょう?凄まじい鳴き声です。
ビルマに残る”交配に失敗したトンボは胸部が張り裂けるほどの絶叫のような高音とともに地面に向かって死に落ちる“という伝説へのトリビュート盤だとか。
これで編集無しとか、現地に行ったらなかなか強烈ですね。
フィールドレコーディング収集家KINK GONGによる雲南省、貴州省などの少数民族居住地で録音された音源を解体・再構築した作品。
そろそろギリギリラインに近づいているのではないでしょうか?
果たしてノイズとは?
耳障りな音なんでしょう。
聞こえてきてしまった音。
しかしSatie、Cage、Enoの発想を吸収すればするほど答えは風の中。
音を音自身として解放する。
音に耳を傾けてみましょう。
傾ければノイズにもなるし変化もする。
1940年代末、Cageは無音を聞きたく無響室を訪ねた。
二つの音を聴いた。一つは高く、一つは低かった。エンジニアにそのことを話すと彼は、高いほうは神経系が働いている音で、低いほうは血液が流れている音だと語った。
生きている上で一番身近な音をノイズと捉えるかも考え方次第。
最後はThe Beatlesで
The Beatles / Revolution Number 9
開けた世界よ、こんにちは。
ライター:MEGOE 藤子F不二雄の異色短編集に衝撃を受け、未知なるものに出会うため音楽活動を始める。10代の暮れにリー・ペリー、マイルス・デイビス、フェラ・クティより洗礼を受け、 以後、サイケデリアの名のもとworld music,jazz,ambientなどをおっ広げ"散れる"世界を構築中。 SOUND CLOUD : http://soundcloud.com/megoe
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