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NOISEのある景色


John Cage / 4’33″ by David Tudor

 

意識してみると面白いものです。 なにが聞こえましたか? これはあえて音を出さずに、他の音もちゃんと聞こえる状態にしてるように思えます。 世の中には聞こえていない音が溢れているということですね。

ちなみにJohn Cageはきのこ大好き研究家で、きのこを語らせるとエライことになります。
4’33″が収録されているアルバムのジャケももちろんきのこです。

余談ですがジャズピアニストKeith Jarrettは去年の日本公演の際、観客の咳が気になり演奏を中断してたり。
考え方は人それぞれ。というかこっちのほうが一般的な解釈か。

 

お次はイギリスの音楽家Brian Enoの1978年作、アンビエントシリーズ第一弾。

Brian Eno / Ambient 1:Music for Airports

空港のための音楽ときました。
空港施設で会話の妨げにならない音楽を流すという目的で作成。
先程のSatieの流れが確実に見えます。 人々の会話の周波数から外し、会話パターンと違う速度で、アナウンスのため中断可能で、空港と関係し死に備えられるような音楽。
ただただ時間が流れるのを感じます。

これは心地よく流れている音として見事成立しています。
このアンビエントシリーズは第四弾まであります。

 

私は、聴くこともでき、しかも無視することもできる作品を創ろうと試みていた。恐らくサティの精神であろうか”食事の時、ナイフやフォークの音と混じり合う”ような音楽を創りたかったんだ

 

元々は英国グラムロックバンド、ROXY MUSICのメンバーだったEno。
こうした環境音楽を作るきっかけになったのは1975年に交通事故に遭って入院している時。
友人が持って来てくれた18世紀のハープ音楽のレコードをかけるが、ヴォリュームが小さすぎ、そしてステレオの片方しかなっていなかったが、動けずそのまま聞いているうちに閃いたとか。
他の音との共存。空間としての音の捉え方。

その後『obscure』というレーベルを1975年に設立し、10作品を発表。
前衛、実験音楽よりな内容で、その後のアンビエントシリーズに繋がっていきます。
obscureシリーズ7番のPenguin Cafe Orchestraは日本で割と浸透しています。 CMとかTVのBGMで使われていたり、坂本龍一が勧めていたりとか。

Penguin Cafe Orchestra / The sound of someone you love who’s going away and it doesn’t matter

他にもobscureシリーズ10番、そしてアンビエントシリーズの第二弾を発表するHarold Buddとかも最高です。

Harold Budd / Bismillahi ‘Rrahman ‘Rrahim

 

obscure、アンビエントシリーズに続いてEnoが発足したのは『第四世界』。
『第四世界』とは、太古的なものと、未来的なものを均衡させた、地球的性格の音楽をいう。
ドイツの現代音楽家Stockhausenのもとで電子音楽を学び、Terry Riley、La Monte Youngらと共演してきたトランペット奏者Jon Hassellとの共作。

Jon Hassell,Brian Eno / Fourth World Vol.1:Possible Musics

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