偉人追悼 [Paco de Lucia]
2014年2月26日、スペインのギタリスト、パコ・デ・ルシア氏が伝説になった。享年66歳。
筆者はガットギタリストの稗田隼人、またPACOという芸名で活動をしています。
自分はもともとクラシックギタリストを目指していましたが、17歳の頃パコ・デ・ルシア&カマロン・デ・ラ・イスラ、またスーパーギタートリオの録音に衝撃受けフラメンコやラテンジャズに傾倒し始め、スペイン留学を決意。
現地では日本人名はなかなか覚えてもらえないため「パコ」と名乗るようにしたらそれが定着し、自分が最も尊敬するギタリストの名前を借りて活動するようになり現在に至りました。
そんな私から先日なくなったパコ・デ・ルシアについて追悼の意を込めて特集の記事を書き綴りたいと思います。
パコ・デ・ルシア氏はスペイン、アンダルシア州カディス県にある小さな港町、アルヘシラスの出身。
フラメンコ歌手カマロン・デ・ラ・イスラとの共演や、フラメンコの世界のみならずアル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリンらと「スーパーギタートリオ」としても一世を風靡した、フラメンコ・フュージョン・ジャズを網羅したギタリストである。
フラメンコの独特なコードと早弾きをジャズに盛り込んだ、独自のスタイルを持つ。
また後年にはホアキン・ロドリーゴの名曲「アランフエス協奏曲」をスペイン各地のオーケストラと共演する。
このことでクラシックファンからも認知を得た。
オーケストラの共演はライブ録音音源としても残されている。
ジャケット中央でパコの隣で演奏を聞き入っている老人は、「アランフエス協奏曲」の作曲者ロドリーゴ本人である。
Concierto de Aranjuez(2004年)
まずは彼がライブでは必ず弾いて来た代表曲”Entre Dos Aguas”
パコは幼い頃より父親の厳しいギター指導を受けたそう。
フラメンコの伝説的歌手カマロン・デ・ラ・イスラとの出会いから、フラメンコ界に革命をもたらした。
圧倒的なダイナミックレンジ・表現力を兼ね備えたカマロンのカンテ(歌)に、それまでは伴奏楽器だったギターの可能性を追求したパコのトケ(ギター演奏)。
カマロンはヘビースモーカーで、さらにはアルコール中毒に加えて薬物中毒者でもあったため、1992年42歳の若さで他界してしまう。それでも、残された録音、特にパコとの共演は特にスペインでは知らぬ人はいないほどに有名だ。
次のページではジャズファンに知られるようになった経緯とその後を紹介します。