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「NEWTIDE -Start in Life-」リリース特集


 

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3月18日に行われた国立音楽大学の学生からなるビックバンド、ニュータイドジャズオーケストラのコンサート「NewTide Jazz Orchestra 2013 Last Live」が三鷹市公会堂で行われた。このライブは2013年4月から活動するレギュラーメンバーの最後のライブという位置付けでもある。

 

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同日会場にて2013年度メンバーによるオリジナルアルバム「NEWTIDE -Start in life-」が先行発売された。全曲オリジナルナンバー・オリジナルアレンジによるクリエイティブな本作品は、学生バンドの域を超えた完成度で音楽関係者に話題となっている。

 

 

2013年、山野ビックバンドジャズコンテスト 最優秀賞 7連覇を目前に出場の辞退を発表した事件は学生ビックバンド界隈だけでなくジャズシーンで活躍する若手プレイヤーの中でも大きなニュースとなり、東京JAZZに学生バンドとして初の単独ステージ演奏をするなど世間を賑わせた今年度のニュータイドジャズオーケストラ。

 

伝統を積み重ね成熟した彼らが万を持してリリースした初アルバムについて、2013年度のコンサートミストレスを務めた澁江夏奈(Comp/Arr/Pf)さん、バンドマネージャーである小野あずさ(Ts)さん、2014年度のコンサートマスターを務める石田愼(As)さんにインタビューに応じていただいた。

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左から、石田愼さん(As) ・澁江夏奈さん(Comp/Arr/Pf) ・小野あずささん(Ts)

 

―― ニュータイドジャズオーケストラ(以下、ニュータイド)の歴史についてお教えください。

澁江:30数年前、今回リリースしたアルバムにもゲスト出演していただいた本田雅人(As)さんらが中心となって創立したビックバンドです。当時の国立音楽大学にはジャズ科はまだなく、クラシックとはまた別にジャズを勉強したい・ジャズを演奏したいと気持ちを持った人たちが有志で集まって出来た団体です。ジャズシーンで活躍する主な卒業生は、本田雅人(As)さん、池田篤(As)さん、米田裕也(As)さん、挾間美帆(Comp/Arr/Pf)さんなどがいらっしゃいます。

 

―― 先日のライブのMCで、管楽器の多くのメンバーがクラシック専攻で リズムセクションのメンバーはジャズ出身者であることがニュータイドの特色と話していましたが、クラシック-ジャズのメンバーが共同で演奏するうえで生じるギャップなどありましたらお教えください。

澁江:クラシック専攻のメンバーはニュータイドで初めてジャズに触れる人が多い為、クラシックと違いジャズのリズムは 裏拍にアクセントがあることに慣れさせる所から始めます。アンサンブルに慣れている管楽器のメンバーとはいえど、ベース/ドラムのリズムを聞きながら演奏する事に慣れていないメンバーが多いので、とにかくリズムセクションを聞くようにとアドバイスします。
リズムセクションのメンバーはある程度ジャズに慣れている人が多いもののビックバンド経験者は少ないです。コンボと違ってあくまでリズムセクションは伴奏にならなければならないシーンが多いので管楽器を引き立たせ支えるプレイを意識するように、個性を出しすぎず協調性を持つようにと教え込みます。

 

―― 入学してからどれくらい基礎を練習する期間を設けているのですか?

澁江:正しくはニュータイドとは別にニュータイドユースという団体があります。1年生はまずニュータイドユースに入ってビックバンドジャズの基礎を習得し、年1回のニュータイドのオーディションに通過するとレギュラーメンバーとして1年間ニュータイドで活動出来ます。

 

―― 他にも苦労する点などありますか?

澁江:クラシックとジャズでは音楽用語に違いがあります。(下図参照)
音名ひとつ上げても、クラシックはドイツ音名【C(ツェー),D(デー),E(エー)】がよく使われ、ジャズは英語音名【C(シー),D(ディー),E(イー)】またはイタリア音名【ド,レ,ミ】で呼ぶ事が多いです。
その為、特に「エー」と言った時、ドイツ音名E(エー)⇒イタリア語音名で”ミ” なのか、英語音名のA(エー) ⇒イタリア語音名で”ラ” なのかと誤解を生むことがあります(笑)

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同じようにジャズでは「ド#」をクラシックでは「Cis(チィス)」と呼び、「△7(メジャーセブン)」を「長7度」と呼ぶ等、クラシックとジャズで使われるの用語が混在する珍しい現場だと思います。如何に両者にスムーズに伝えるかが重要でした。

石田:クラシックの人達は、ジャズやポプュラー音楽に使われる難しいコードの構成音を理解していなくても自分たちの耳で和音を判断しています。クラシック音楽では当たり前に行われている美しく響く(純正律の響きの)ピッチ調整を自然とやっているので、自分たちで音を判断して合わせられるアンサンブル能力の高さはニュータイドの強みであると思います。

 

―― 次のページではアルバム制作秘話・楽曲の聴きどころなどのお話をきかせていただきます。

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