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Jakob Bro Trio @Jazztreffen2015 Report


 

#9 Mild

筆舌に尽くしがたい感動が最後の最後に待っていた。
Oktoberより切れ目なく続く、息を飲むような美しいメロディー!
「Bro/Knak」からの選曲にホールは、ひとつの映画がエンディングを迎えたような高揚感に打ちひしがれる。偏に音楽と呼んでしまうにはあまりに壮大で劇的。
名残惜しむような余韻が収束した時、一際大きな拍手が起きた。

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Enc. Love Me Tender

Broがアンコールに選んだ曲は不変のスタンダード。そういえば、スタンダードアルバムで取り上げていたっけ。
こういった素朴で優しいメロディーが合うのはフリゼールとの共通項だろう。

 

 

終演後、Broの足元をチェックする。隣の芝生はなんとやら。ギタリストの悪い癖。
いやはや、ジャズギタリストのボードには通常入らないペダルばかり!笑
フィードバックやオーバーダブ効果はtc electronicのルーパーによるものだろう。そして今や定番となったstrymonの多機能ディレイペダル。
そしてファズ付きのエコーペダル笑
時折現れていた発振はこのペダルの仕業だろうか…。
ラック下段にはEventideのPitchfactorにZ VEXの歪みと、Broファンにはお馴染み(?)リングモジュレーター、tc electronicsのリバーブ。
割とデジタルペダルが多いようだ。柔らかく暖かみのある出音からデジタル臭さは感じられなかったのはBroの力量か。

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ギタートリオの特性を余すところなく活かしたBroの音楽は、会場と調和することで真価を発揮するように感じた。
会場の広さ、照明、響き方など全てを味方にして広がる風景はどこまでも内省的で深い。観客それぞれの琴線はあるものの、幾度となく現れる美しい瞬間とその余韻は確かに観客に響いていたと思う。
そして歴史ある場所とジャズの先端が交わり、最上の空間美が生まれたのだ。JAZZTREFFENは今年初めて開催されたイベントだが、初回からこのクオリティは素晴らしい。是非この先も続けていって欲しいプロジェクトだ。

 

Setlist ―――

Gefion
Copenhagen
And They All Came Marching Out of the Woods
Northern Blues
Lateef
Motion
Oktober
Mild

- encore -
Love Me Tender

 

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tadahirokiライター:多田大幹
1991年生まれ、ゆるふわアブストラクトな空間系ギタリスト。草木も眠る丑三つ時、日本酒片手にECMを聴き漁るグローバリズムを発揮している。EP、The Portrait of Lydian Gray 発売中です。
          e-onkyo:The Portrait of Lydian Gray

 

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