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偉人追悼 [山本邦山]


 

山本邦山は和楽器 尺八をジャズ界に投じ、世界中から評価をされた日本を代表する演奏者だ。

その証拠に世界的アーティストとも共演をしている。

hellenmerill

ニューヨークのため息と評されるヘレン・メリル。

山本邦山との親交は深く、付き合いは1963年からと言われ昨年4月のBLUE NOTE TOKYOの来日ライブに山本邦山もゲスト出演した程。その付き合いの長さは実に半世紀に及ぶ。

大半はジャズスタンダードを演奏している作品であるが、ヘレン・メリルの代表作「You’d Be So Nice To Come Home To 」と、日本の童謡の「砂山」を歌っている珍しいテイクが入っているので興味のある方は入手してほしい。

 

 アフィニティ(1998年)

 

山本邦山が共演した世界的アーティストの一人、

「ノラ・ジョーンズの実父」「インドの至宝」「ジョージ・ハリスンとジョン・コルトレーンの師匠」

と偉大な功績を残した、シタール奏者で音楽家ラヴィ・シャンカール。

East Greets East(1978年)より

山本邦山とラヴィ・シャンカールが共演したアルバムのうち偶然にも1曲YOUTUBEにアップされていたものを見つけたので紹介します。

宮下伸の筝(琴)から始まり山本邦山の尺八が入り邦楽の世界感を作り上げ、その中からラヴィ・シャンカールのシタールがストロークで現れる。その音色こそシタールだが奏法は琴の様。その後タブラがリズムを刻む。異種混合の4人編成ではあるが、ラヴィ・シャンカール、タブラのウスタッド・アラ・ラカが邦楽を良く理解し寄り添って演奏しているおかげか、構えて聞かないとインドの民族楽器がジョイントしている事に気付かない可能性があるかもしれない。

山本邦山は西洋音楽に和楽器を認知させただけでなく、日本の邦楽を世界に知るきっかけとなる人物であったようにも思える。その証拠に偉大な音楽家ラヴィ・シャンカールも自身に邦楽の要素を組み入れ演奏したのではないだろうか。

 

晩年はブルースギタリスト高谷秀司と”大吟醸”というユニットで活動。

“大吟醸”ではよく日本の民謡・童謡をバンドアンサンブルで演奏をしていた。

その活動は昨年末まで精力的に活動をしていた中、突然の訃報となった。

和楽器の素晴らしさを世界に知らしめるだけでなく、世界に日本の音楽の素晴らしさを発信し続けた人なのだろう。

 

最後に紹介する動画は石塚まみ(Vo/P)とのDUO演奏から関西地方に伝わる民謡「竹田の子守唄」

山本邦山。故人を偲び、心からお悔やみ申し上げます。





eguchitakenoriOUT of JAZZ 編集長: 江口 丈典
 音楽プロデューサー/ディレクター
自身がミュージシャンであった事からキャリアをスタート。JAZZ,ROCK,POPS,IDOL,民謡などのレコーディング現場を経験。いくつものレーベル設立に携わる。日本ジャズ文化の発展の活動を行う。
趣味は料理。夏の時期はゴーヤーチャンプルを毎日食べるほど大好き。



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