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ナミヒラアユコ 1man Live~風が行く先~ 密着取材レポート


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拍手に包まれる中、ナミヒラアユコのバンドメンバーが登場する。白いYシャツにベスト、白いワンピースと統一感のある衣装でステージが華やかに染まる。少し間を置いてナミヒラがステージに上がる。衣装は青いワンピース。とても爽やかだ。

 

ベースのコードヴォイシングによるヴァイオリン奏法から1stステージがスタート。
会場そばの海から冷たい風が運ばれてくるような何とも言えない清涼感のあるナチュラルな音色に、目が覚めるようなピアノが奏でシンバルやギターが音を色付けてくる。ピアノだけを残しナミヒラは待ちに待った僕らの前で口を開く。この曲は「ai」。彼女が人生で初めて作ったというオリジナル曲だ。映画の主題歌で発表した時とは全く異なり、浮遊感があり目に出来ない底の方に大きな流れがあるように感じるアレンジである。これから始まる何かを予兆させるような1曲目に相応しい曲。気持ちが昂る。

後藤のアコースティックギターのイントロで始まる2曲目「真夜中」
ナミヒラの1stアルバム『Winter Flowers』にも収録されている彼女が永く付き合ってきた曲のうちの一つ。この曲には二面性の不思議な魅力があり、歌い出しはバラードのようにギターと共に歌いだす。その後バンドが入りサビに向かってキメがあり、そこから思いっきりバンドがグルーヴする。ナミヒラの伸びのある歌声が赤レンガの高い天井まで響き渡った。ナミヒラは堂々とした出で立ちで視線を観客に配りコミュニケーションをする。最初にリハーサルでステージに上がった時とは違う一人の歌手がそこに立っていた。

 

「ai」「真夜中」と歌い終えここでMCの時間。
今日ここに足を運んだ観客に自分の言葉で感謝を伝え、それに応えるように大きな拍手で会場の観客に迎えられる。

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「Close to Summer」のイントロにのせてバンドメンバーの紹介。メンバーひとりひとりの特徴や人柄を即興で歌にのせ紹介していく。MCと演奏の境目がなく観客も自然と演奏に引き込まれていく。この曲は正に”夏”を表す曲。ミドルテンポの爽やかなリズムに久保田の鍵盤ハーモニカのアドリブソロが夏の涼しげな風を思わせる。ナミヒラが曲の中でシェーカーを振りながら歌う。季節と心が一致してか体が勝手にリズムにノってしまう。ナミヒラも大きくも自然な身振りで楽しげに音楽を表現していた。

 

- 私が絵を描くのなら沢山の色で大きな絵を描くだろう - と話していた「Various Colors」はその言葉通り、筆を大きく振るうようにメロディが自由に歌い跳ねる。楽曲は落ち着いたテンポではあるが、- 今日来て頂いた皆さんに様々な色を見せたい - という彼女の気持ちがこの躍動感を生みだすのだろう。その姿を見ているこちらもウキウキが止まらない。ピアノのアドリブソロでは一度テンションを落としてアドリブの終わりに向けて一気に盛り上げる。歌詞も音楽もストーリーを感じるスケールの大きな楽曲だ。

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- 人に当てた手紙のような曲です- と歌い始めた「Let me love you」
ゆっくりと大らかな3拍子のリズムに乗りピアノとデュオで歌い、静かに他のパートも入っていく。ギターがエフェクティブに景色を彩る中ヴォーカルは内情的に言葉を紡ぎ、ボトルネックを使った哀愁あるギターソロののち感極まり大切な人を呼び叫びナミヒラの高音の歌声は胸が張り裂けそうな気持ちになった。

 

- 誰にでもある眠れない夜にあてた曲 - という「おやすみ」
- 夜中3時に友人から電話。その内容は「どうしよう寝れないよ」。私はその電話で起きたのに… - とこの曲を書くきっかけとなった可愛らしいエピソードで会場を笑顔にした。ドラムの淀みないブラシワークや決して主張し過ぎない巧みなベースアドリブソロが程よい刺激になり連日の熱帯夜でバテタ体と心を癒す。

後藤のアコースティックギターとのデュオ曲「Crying Night」

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- 知らない間に胸が窮屈になる事があって、雨を見て最近涙を流していないなと思った。
 素直に心を開いて涙を流す事は大人になると難しいけれど、明日笑顔になる為のものなら大事。-

まっすぐに前を向き、目を瞑りながら語り掛けるように歌う。その言葉は力強く、頼もしい。

 

アコースティックギターとの2人の世界にピアノが加わり演奏された曲は80年代に活躍したソウルユニットDebargeの「I like it」のカバー。ヴォーカルをフィーチャーしギターとピアノがバッキングに徹する中、ベースとドラムが一緒に音楽に加わったその瞬間会場の空気が爆発したかのように一気に熱を帯びる。曲中ナミヒラと観客の歌によるコール&レスポンスが行われ会場が一体となっていた。

1stセット最後の曲はマーチのスネアロールのようなドラムリフから始まるアップテンポなナンバー「You can go」。スウィングやスキャットなど音楽的にもエンターテイメント性に優れた楽曲で、”手のなる方へ”とステージを走り回るナミヒラの存在感は大きく、続いて観客も手拍子をして楽しむ。ピアノアドリブソロ後の福森による強烈なドラムソロ。その迫力に観客のすべてが圧倒され1stセットは幕を閉じた。

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