The Distance Between Zero And One vol.7
今回でこのコラムもVol.7となり、OUT of JAZZにて連載が開始されてから半年以上たつのですが、今一度このコラム「The Distance Between Zero And One」のテーマについてもう一度確認しておきましょう。
「電子音楽と”JAZZ”の生演奏の融合 」
最近自分でもこのテーマが少しあやふやになっていて、確認のためにvol.1のコラムを読み返してきたぐらいです。
だいたいスクエアプッシャーのせい
脱線してしまうことはそこまで悪くないことだと思うのですが、そもそもOUT of JAZZという名前のウェブマガジンなのに本当にジャズからアウトしてしまってはいけません。
これかも気を付けていきたいと思います…
vol.1のコラムを読み返してみるとマイルス・デイヴィスの「Bitches Brew」から紹介して、そこからFlying Lotusも紹介していて、初回のコラムは無難にいこうとしているところが自分でもよくわかるのですが、その途中でFlying LotusがBrainfeederというインディレーベルを主宰していることにも少し触れています。
実はこのレーベルがこのコラムのテーマ「電子音楽と”JAZZ”の生演奏の融合」において非常に重要なレーベルなのです。
前回ご紹介しましたTaylor McFerrinもBrainfeederのアーティストで、そのほかにもエレクトロニカやビートミュージックを製作するプロデューサーやジャズプレイヤーまでもが所属していてアーティストはとても幅広いです。
ここまでアーティストの幅が広くなったのも主宰するFlying Lotusの音楽の方向性やエレクトロニックミュージックとジャズに対する理解の深さからだと思います。
その中でも今回紹介したいアーティストはBrainfeederの中心的存在、Thundercat(サンダーキャット)、本名Stephen Bruner 。
超凄腕のベーシストでソロ活動の時はヴォーカルもしています。
まずは彼がべース弾いている動画をご紹介いたしましょうか。
BASS MAGAZINE presents BASSIST ARCHIVES vol.1 “Thundercat”
はい。バカウマです。
そんな彼の父親はダイアナ・ロスやテンプテーションズのドラマーとして活躍した、Ronald Bruner, Sr.。兄はマーカス・ミラーやスタンリー・クラークなどとも共演するドラマーRonald Bruner, Jr.。
まあ見事な音楽一家です。
兄弟そろってバケモノミュージシャンに育ってくれました。
サンダーキャットは16歳の頃にハードコア・パンクバンド、Suicidal Tendencies(スイサイダル・テンデンシーズ)に兄弟そろって参加し、若くしてその超絶的なテクニックでその名をとどろかせます。
当時からスタジオミュージシャンとしても活動しており、エリカ・バドゥのアルバムに参加するなどして、その後Flying Lotusに見初められFlying Lotusのアルバム「Cosmogramma」に参加します。
そのアルバムではサンダーキャットをフィーチャーした曲が収録されています。
Flying Lotus – MmmHmm
その後もFlying Lotusとの関係はより親密になっていき、BrainfeederからThundercat初のソロ作品リリースに至ります。