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The Distance Between Zero And One Vol.1


 

もう1つマイルスの作品を紹介します。遺作となった「Doo-Bop」。アルバム製作中に惜しくも肺炎で亡くなってしまい、その後の製作をHipHopミュージシャン、イージー・モー・ビーが完成させた1枚です。HipHopのトラックの上にマイルスのトランペットのサウンドが乗せられています。ジャズの歴史を自ら創造していったと言っても過言ではないマイルス・デイビス。その遺作となったこの作品はジャズの行く末を常に見つめていたからこそ生まれたのだと思います。

 

Miles Davis – The Doo Bop Song

 

そして時は2014年。現代の「Bitches Brew」にもなり得るアルバムが一人の男によって発表されます。その男の名はFlying Lotus(フライング・ロータス、以下FlyLo) HipHop音楽を手がける音楽プロデューサーで、ジャズレジェンドのジョン・コルトレーンを叔父にもつ人物。彼が2014年10月に発表したアルバム 「You’re Dead!」はマイルスとも共演したピアノのハービー・ハンコックも参加し話題となりました。FlyLoはこのアルバムで生演奏を大きく取り入れ、その生演奏と今まで用いてきた電子楽器やPCなどによる電子音、エフェクトとの共存が驚くべき次元で実現しているように思います。FlyLoはインタビューなどでマイルスからの影響も語り、「Bitches Brew」のように2つの世界をミックスして、マイルスも驚くような音楽を作りたかったと発言しています。

インタビューのリンク : http://www.gizmodo.jp/2014/12/flying_lotus.html

Youtubeリンクは「You’re Dead!」からHipHop界を担う重要人物、Kendrick Lamarをフィーチャーした1曲。

 

Flying Lotus – Never Catch Me ft. Kendrick Lamar

 

今回ご紹介したアーティストは少しHipHop寄りになってしまいましたが、今後はまた違ったジャンルのデジタルなアーティストも紹介していきたいと思います!

最後になりましたが、OUT of JAZZで連載をさせていただくことになりました、私、奥村純平と申します。この場を借りて、このような機会を下さった編集長の江口さんに感謝します。これからもこの連載にお付き合いしていただければ幸いです。よろしくお願いします!!





okumurajunpeiライター:奥村純平
京都府出身。小学校4年生のころ、担任の先生にドラムを教わったことからきっかけにドラムを始める。中学高校時代は吹奏楽部に所属し、大学在学時に音楽活動をスタートさせる。現在はジャズドラマーとしての活動のほか、自身が傾倒する電子音楽の活動への道も模索中。



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