facebook_icon.png twitter_icon.png

Ink Spots [Roland Kirk]


こんにちは、大石悠です。
フェイバリットなミュージシャンをブラックの中で考えていたら何人か出て来たのですが、第二回は
Roland Kirkの映像を。白黒映像ですがバンドの服装がブラックパワー全開、とてもヒップな感じでカッコいいです。

 


途中で「でかいカニの爪」のようなモノでカウベルを叩くあたりのセンスに脱帽です。

この人は盲目のミュージシャンで、幼少からあらゆる楽器をマスターしてきた筋金入りの「本物の」ミュージシャンです。

しばしばジャズファンからは「あんなものはゲテモノだ」とか「グロテスク・ジャズ」とかあまり良い言われ方をしないですが僕は逆に、何を聴いているのだ!と問いたいです。

目が見えないからこそこの人はその他の感覚をフルに使って音楽を演奏しているのです。僕はそれこそまさに「ジャズ的」だと思うし、これは本物の「ソウル」に他ならないと思うのです。

その証拠に黒人音楽の最も進んだリズムに伝統的なジャズスタイルの演奏、一人で演奏できる限りの楽器をぶら下げて同時に演奏し、鼻で笛を吹き銅鑼を鳴らし、あまつさえ「でかいカニの爪のようなモノ」でカウベルを探し当てて叩きまくるのです。

これが人の目を気にしている人の姿ではない事は一目瞭然、もっと言えばオーディエンスを最大限に喜ばせてあげようとするエンターテイメントの姿勢の一つです。これは黒人音楽の一つの最新型だったと思うし、誰も真似しようと思ってもできない(そして誰も真似しようとも思わない)独自のスタイルなのです。
 
 

next_logo



Comments