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The Distance Between Zero And One Vol.1


2015年、情報化社会。インターネットで好きな曲を検索すればその曲がすぐに見つかり、ご丁寧に「アナタにはこんな音楽もお勧めです!」と画面には見たことのないバンド名や曲名が表示され、しかもその音楽がめちゃくちゃかっこいい、ということが頻繁に起こってくれます。

 


ジャズという音楽はインターネットができるよりもっと前から存在していて、誕生してから今に至るまでいろいろな変化がありました。(ジャズの歴史について知りたいという方は詳しい記事がどこかにあると思うので、早速『インターネット』を使って調べてみてください)

その変化の内のひとつに電気楽器の登場というものがあります。エレキギターやオルガンといった楽器は比較的早い段階からジャズミュージックに導入されていたのですが、それ以外の楽器はまだまだジャズミュージシャンにとってなじみのないものでした。しかし、1970年、ジャズ界のレジェンド、Miles Davis(マイルス・デイビス)3人のキーボード、ギター、ツイン・ドラムとパーカッションという大胆な編成で挑んだ大作「Bitches Brew」によって、電気楽器の存在はジャズ界に大きく広まりました。

もちろん電気楽器を導入したのはジャズだけではなくロックやR&B、ポップスなど、他のジャンルにも及び、電気楽器を利用した音楽は大きな発展を見せました。そんな中、発展しているのは音楽だけではなく、電気楽器側も発展を遂げ、ついに、情報化社会の立役者=コンピュータ(PC)も音楽に導入されます。

これまで人間だけのアナログな方法では不可能だった音楽の表現の仕方を可能にし、さらにそのデジタルな表現を利用した全く新しい”電子”音楽が生まれ、その曲たちがインターネットを通じて世界中の人たちにダウンロードされています。
電子音楽は現代音楽のひとつのコンセプトとなりました。

そして、決して溶けないであろう氷山としてこの世界にたくさんそびえたっています。

 

マイルスが「Bitches Brew」を発表してから40年以上たった今、そんな氷山の一角たちを知ってみるというのはいかがでしょうか?
というわけで、このコラムでは「電子音楽とJAZZの生演奏の融合」をテーマにして記事を連載していく予定です。アナログとデジタルを行き来するアーティストたちが表現する世界をぜひ体感していってください。

 

 

まずは前置きでも登場した「Bitches Brew」まずはこちらについて少しお話いたします。アコースティックな編成で音楽を作りつづけたマイルスが、前作から電気楽器を取り入れ、さらにこのアルバムでは今までジャズに用いられたリズム、4ビートではなく、ロックやファンクなどで用いられる、8ビートを全曲に採用しました。その濃厚なリズム隊の上に何重にも重なる電気楽器が生みだすサウンドはそれまでのジャズとはまったく違っていたものでした。ジャズ以外のジャンルの要素を聞くことができるこのアルバムはジャズ界に革命を起こした1枚といわれています。

 

Miles Davis – Bitches Brew

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